
「解析はLinux、提出物や整理はWindows」
テガラなら、1台のワークステーションに Windows と Linux を安定共存させたデュアルブート環境を構築できます。
研究と業務を切り分けながら、両OSを安心して使える実践的な構成です。
以下の設計で、安定運用と保守性を両立します。
- アップデートに強い安定したブート管理
- 研究と業務をスムーズに切り分けられる構成
はじめに
ゲノム解析やRNA-seqなど、バイオインフォマティクスでは大量データを扱う計算処理が日常的です。解析はLinux前提のことが多い一方、報告書作成や資料共有などの業務ではWindowsも欠かせません。本稿では、1台のPCで両環境を共存させるデュアルブート構成をご紹介します。
なぜWindows環境が必要なのか
Windowsは、研究活動の「業務・管理側」を支えるOSとして多く利用されています。例えば、以下の用途です。
文書作成・社内ソフト
Officeや社内専用ソフトで、報告書・契約書の作成を短時間でまとめられる
社内インフラとの互換性
共有フォルダ、ドキュメント管理、プリンタ、社内専用アプリとの連携が安定
直感的な操作性
定型業務に強く、チーム全体で運用を揃えやすい(標準化)
Linux と Windows を併用したいという声は、研究現場でも一定のニーズがあります。
バイオインフォマティクス分野では、テグシスへのご相談でも「解析はLinuxで行い、成果整理や提出物作成はWindowsで行いたい」という運用を希望されるお客様が多く見られます。
テグシスのデュアルブート設計
安定したブート管理 ― 起動の主導権を Ubuntu 側に
一般的なデュアルブートでは、1台のSSDを分割して両OSを同じドライブに共存させる構成がよく見られます。
ただしこの方式は、システム更新のタイミングでブート領域が書き換わり、Windowsのアップデートによりブートローダーが上書きされて起動できなくなるケースが報告されています。
テグシスでは、このリスクを抑えるため、 Ubuntu 側のブートローダーで起動を管理する設計を採用します。
- Ubuntu から Ubuntu / Windows を選択して起動(更新影響を受けにくい運用を意図)
デュアルブートの注意点(デメリット)
デュアルブートには多くのメリットがありますが、一般的な構成ではいくつか注意すべき点もあります。
注意点はこちら
- OS切替えに時間がかかる:作業のたびに再起動が必要で、仮想環境に比べると手間がかかる場合があります(同時に両方の環境は使えません)
- 設定やインストールがやや複雑:パーティション分割やブートローダー設定が必要
- ブートローダー不具合リスク:初期設定やWindowsアップデートの影響で上書きされることがある
テグシスでは、これらの課題を踏まえ、SSD分離構成やUbuntu側ブート管理を標準仕様として採用しています。 物理的にストレージを分けることで、ブートローダーの安全性やセットアップの確実性が向上し、研究用途でも安心してご利用いただけます。
SSD分離構成による安定性と保全性 / 共有ストレージの活用
SSD分離構成(Windows / Linux 専用)
1台に両OSを入れる場合、同じストレージに配置すると更新や障害の影響が互いに及びやすくなります。 そこで、OSごとに専用SSDへ分けてインストールし、トラブル時の切り分けと復旧をしやすくします。
- 一方のOSのトラブルが、もう一方へ波及しにくい
- OS再インストールやアップグレードが容易
- 誤操作やファイル破損のリスクを低減
共通のデータ領域(共有ストレージ)
WindowsとLinuxの両方から同じ解析データを扱いたい場合は、OS領域とは分離した共通のデータ領域(共有ストレージ)を用意する運用が実務的です(※共有ストレージをご希望の際は、事前にお知らせください)。
- OS切替えや再インストールの影響を受けにくい
- バックアップや複製が行いやすい
- 共同研究での受け渡しがスムーズ
例として、OS用SSDx2に加えて、データ保存用として3台目(HDD/SSD/NASなど)を用意し、両OSから参照できる形が挙げられます。
運用イメージ(共有ストレージを使う場合の例)
解析(Linux)
解析結果を共通のデータ領域(共有ストレージ)へ保存
結果整理・提出物作成(Windows)
Linuxでの解析結果をすぐにWindows側で参照でき、作業の切り替えや共同作業がスムーズになります。
仮想環境との違い(WSL / 仮想マシンとの比較)
WSL(Windows Subsystem for Linux)や仮想マシンを利用してLinux環境を利用する方法もありますが、解析処理ではネイティブ環境の方が安定かつ高速に動作するケースが多く見られます。
- CPUやメモリ資源を解析処理に最大限活用可能
- GPU計算時のドライバやCUDA環境が安定
- OSが直接ハードウェアを制御するため、入出力処理が安定
| 項目 | デュアルブート構成 | WSL / 仮想マシン |
|---|---|---|
| 計算性能 | ネイティブ性能を発揮 | 仮想化のオーバーヘッドあり |
| GPU利用 | ドライバ・CUDAが安定動作 | 制限・互換性問題あり |
| リソース利用 | CPU/メモリを100%活用可能 | 分割・制限が発生 |
| 入出力処理 | OSが直接制御し安定 | 仮想層経由で遅延 |
WSL2の動作や注意点の理解を深めたい方へ、以下の技術解説も参考になります。
おわりに
LinuxとWindowsを1台で使い分けるデュアルブートは、計算性能と業務効率を両立できる、柔軟で信頼性の高い運用方法です。
テグシスでは、SSD分離・Ubuntu 側の起動管理・共有ストレージ設計を組み合わせ、解析に集中できる環境をご提案します。




