事例No.PC-10865
参考価格:
646,800

材料計算用マシン

用途:最大100-200原子数程度の計算セルに対するトータルエネルギー計算・構造緩和・フォノン計算・物性計算

お客さまからのご相談内容

材料計算、特に第一原理電子状態計算 (想定ソフトウェア:VASP、ABINIT)に使用する目的で、ワークステーションを導入したい。
具体的には、最大100-200原子数程度の計算セルに対するトータルエネルギー計算・構造緩和・フォノン計算・物性計算を考えている。
予算60万円程度で提案して欲しい。

テガラからのご提案

ご要望の条件に合わせて構成を検討しました。

VASP、ABINITともにGPGPUに対応していますが、公式ドキュメントの情報を確認するとTESLA系統のfp64性能の高いGPGPU専用カードの利用が前提と考えられます。
本件のご予算では、これらのカードを選択することはできないため、GPU利用に固執せず構成を検討するのが良いと思われます。

なお、ご利用予定のソフトウェアは計算規模が大きくなるとメモリ消費量が増加します。
VASPの必要メモリ容量を計算するための考え方が公式サイトに掲載されていますので、計算内容に合わせてご確認ください。

参考:Memory requirements (VASP Software GmbH) ※外部サイトへ飛びます

主な仕様

CPU Xeon W-2265 (3.50GHz 12コア)
メモリ 128GB REG ECC
ストレージ 1TB SSD S-ATA
ビデオ NVIDIA T400
ネットワーク on board (10/100/1000Base-T x1 5G x1)
筐体+電源 ミドルタワー筐体 + 850W
OS Ubuntu 22.04
その他 TPMモジュール

■FAQ

・VASPとは
VASP (Vienna Ab initio Simulation Package) は、第一原理計算に使用される物質科学ソフトウェア。電子構造計算、分子動力学シミュレーション、熱力学的性質の予測などに使用される。密度汎関数理論(DFT)に基づいており、固体、表面、分子など、さまざまな種類の系に対応している。

参考:VASP (VASP Software GmbH) ※外部サイトへ飛びます

 

・ABINITとは
ABINITは、第一原理計算に使用される電子状態計算ソフトウェアの一つで、分子動力学シミュレーション、電子密度関数法、Green関数法などを用いた計算が可能。固体、表面、分子、クラスターなどの様々な物質系に対応している。密度汎関数理論 (DFT) を用いた第一原理計算を行い、電子密度やバンド構造、光学特性などの物理量を計算することができる。

参考:ABINIT (The ABINIT Group.) ※外部サイトへ飛びます

 

 

事例追加日:2023/03/23
事例No.PC-10825
参考価格:
2,196,700

タンパク質結合解析用マシン

用途:タンパク質・低分子化合物の結合解析

お客さまからのご相談内容

アカデミックフリーのツールを用いたタンパク質・低分子化合物の結合解析を行いたい。
構造予測、ドッキングシミュレーション、量子計算、MD計算に使用する予定。
使用するソフトウェアは以下を考えている。

構造予測 Alphafold2
ドッキング autodock (GNINA) / ucsf-dock
量子計算 GAMESS / firefly
MD GROMACS 2022.4

AlphaFold2をローカルで構築でき、一般的な条件でGROMACSを稼働させられるスペックが必要。
メインの用途はMD計算や量子計算で、将来的にはイン・シリコ・スクリーニングへの発展を考えている。

テガラからのご提案

第3世代Xeon Scalableを搭載した2CPU構成をご提案しました。
ご利用のソフトウェアにIntel APIをコンパイラとして推奨している物があることに配慮した選択です。

ご連絡いただいているのソフトウェアのうち、GAMESS以外は何らかの形でGPUを利用することができますが、CPUで処理を行う部分も相応にあるため、CPUとGPUのバランスを考える必要があります。

AlphaFold2はGPUを必要とするソフトウェアで、かつ2.2TBほどの巨大なデータベースを参照するため、ストレージ性能がパフォーマンスに大きく影響します。2ndストレージとして搭載している大容量のSSDはAlphaFold2のデータベース保存を想定したものです。

なお、AlphaFold2とそれ以外のソフトウェアでは、GPGPUの使われ方が異なり、AlphaFold2はTensorflowを基盤としたDeepLearningになりますが、他のソフトはGPUをコアプロセッサとした科学計算です。
科学計算ではGPGPUに倍精度小数点演算 (fp64) を求められることがありますが、非常に高額で専用筐体が必要になります。 利用を想定しているソフトウェアは、いずれもfp64が必須ではなくCUDAに対応したNVIDIA製GPUであれば利用可能とされているため、搭載GPUはディスプレイ出力を兼ねたビデオカードを選択しています。

本事例の構成は、お客様から頂戴した条件を元に検討した内容です。
掲載内容とは異なる条件でご検討の場合でも、お気軽にご相談ください。

主な仕様

CPU Xeon Gold 6326 (2.90GHz 16コア) x2
メモリ 256GB REG ECC
ストレージ1 2TB SSD S-ATA
ストレージ2 4TB SSD M.2
ビデオ Geforce NVIDIA RTX4080 x2
ネットワーク on board (1000Base-T x2)
筐体+電源 タワー型筐体 + 1600W
OS なし

■FAQ

・AlphaFold2とは
AlphaFold2はDeepLearningによるタンパク質の立体構造予測を行うプログラム。従来の手法では、タンパク質の構造を決定するには膨大な時間とコストがかかったが、AlphaFold2は迅速かつ効率的に予測処理を行うことができる。タンパク質の構造解析は、疾患の発症メカニズムや薬剤開発における貴重な情報源となる。

参考:deepmind / Alphafold ※外部サイトに飛びます

 

・GROMACSとは
GROMACS (Groningen Machine for Chemical Simulations) は、オランダのフローニンゲン大学で開発された分子動力学シミュレーションのパッケージ。主に、タンパク質や脂質、拡散などの生化学分子用に設計されている。

参考:GROMACS ※外部サイトに飛びます

 

・GNINAとは
GNINAは異なるタンパク質間の相互作用や機能の関係を推定するために利用するプログラム。タンパク質の相互作用ネットワークを比較することで、タンパク質間の機能的な類似性を推定することができる。

参考:gnina / gnina ※外部サイトに飛びます

 

・UCSF Dockとは
UCSF Dockは、タンパク質と小分子リガンドの間の相互作用を予測するためのオープンソースのドッキングプログラム。リガンドとタンパク質の分子構造情報を入力として受け取り、両者の3次元構造を解析して、最適なドッキング構造を計算する。UCSF Dockは、多くの異なる機能を持ち、タンパク質リガンド相互作用エネルギーの計算、分子動力学シミュレーション、柔軟なドッキング、および仮想スクリーニングなど、多数のドッキングタスクに適用可能。

参考:UCSF Dock (The Official UCSF DOCK Web-site) ※外部サイトに飛びます

 

・GAMESSとは
GAMESS(General Atomic and Molecular Electronic Structure System)は、分子構造や反応に対する電子構造解析を行うための計算化学ソフトウェア。GAMESSは、量子力学に基づいた理論を用いて、分子の電子構造や反応エネルギー、スペクトルなどの物理化学的性質を計算することができる。

参考:GAMESS ※外部サイトに飛びます

 

・Fireflyとは
Firefly (旧名PC GAMESS) は、分子構造や反応に対する電子構造解析を行うための計算化学ソフトウェア。様々な計算方法をサポートしており、HF法、DFT法、MP2法、CCSD法、CASPT2法、および多くの高次の相関法などが含まれる。これらの方法は、分子の電子状態を解析するために使用され、反応エネルギーやスペクトルなどの物理化学的性質を計算することができる。

参考:Firefly computational chemistry program ※外部サイトに飛びます

 

・イン・シリコ・スクリーニングとは
イン・シリコ・スクリーニングは、コンピュータを用いて、大量の化合物の中から有望な化合物を選別する手法。分子の構造情報をコンピュータに入力し、化合物の相互作用や反応に関するシミュレーションを行い、大量の化合物の中から有望な候補を選び出すことができる。医薬品開発だけでなく、農薬や化粧品などの製品開発にも応用されている。

 

 

事例追加日:2023/03/15
事例No.PC-10461
参考価格:
467,500

金属錯体計算用マシン

用途:科学計算用ソフトウェア「Gaussian」の利用

お客さまからのご相談内容

Gaussianを使って金属錯体の計算を行いたい。想定している計算では、基本的にCPUを8コア使うことを想定している。
必要に応じて2つの計算を同時に行う場合があり、CPU全体としては合計20スレッドあれば十分。R言語による行列計算も考えている。
なお、自分自身で検討した構成は下記の通り。

・CPU:Xeon W-2255 (3.70GHz 10コア) 20スレッド
・メモリ:64GB
・ストレージ:SSD 2TB S-ATA
・ビデオカード:NVIDIA T400
・OS:なし

予算50万円の範囲内で、より良い構成の提案を希望する。

テガラからのご提案

ご予算の範囲内で、CPU性能がより高くなる構成をご提案しました。

CPUはRyzen 7000シリーズ最上位の16コアモデルであるRyzen9 7950X (32スレッド) を搭載した製品です。
下位モデルには12コア/24スレッドの製品もありますが、Ryzen9 7950Xの方がブーストクロック作動時の最大クロックが高く設定されているため、CPU速度を重視した選定としています。

【Ryzen 7000シリーズ 12コアモデルと16コアモデルの最大クロック】

■12コア/24スレッドモデル AMD Ryzen9 7900X 4.50GHz
Boost時 最大5.60GHz
■16コア/32スレッドモデル AMD Ryzen9 7950X 4.70GHz
Boost時 最大5.70GHz

Ryzen9 7950X とXeon W-2200シリーズとの比較で考えた場合、Xeon W-2200シリーズは発売から時間が経過していますので、後発であるRyzen9 7950Xの方がCPU自体の性能が高いとお考えください。
なお、Ryzenはコンシューマ向け製品のため、メモリ容量の上限は128GBです。Xeon W-2200シリーズのメモリ上限1TBよりも低くなりますが、想定されているメモリ容量が64GBでしたので、この点は問題にならないと判断しています。

本事例の構成は、お客様から頂戴した条件を元に検討した内容です。
掲載内容とは異なる条件でご検討の場合でも、お気軽にご相談ください。

 

主な仕様

CPU AMD Ryzen9 7950X (4.50GHz 16コア)
メモリ 64GB
ストレージ 2TB SSD S-ATA
ビデオ NVIDIA T400
ネットワーク on board (2.5G x1 10/100/1000Base-T x1) Wi-Fi x1
筐体+電源 ミドルタワー筐体 + 850W
OS なし

■FAQ

・Gaussianとは
Gaussianは、米国のGaussian社の開発する計算化学用ソフトウェア。
電子構造や分子特性などの予測計算が可能であり、量子化学計算や分子動力学計算に限らず、様々な用途で利用される。

参考:Gaussian ※外部サイトに飛びます

 

・Rとは
Rとはオープンソース・フリーソフトウェアの統計解析向けプログラミング言語/開発実行環境。統計処理のための計算やグラフ化で利用される。
多くのライブラリが存在するため、ライブラリを呼び出すだけで複雑な手法を扱うことができる。

参考:The R Project for Statistical Computing ※外部サイトに飛びます

 

・ブーストクロックとは
AMD RyzenシリーズとRyzen Threadripper 2000シリーズ以降の製品に搭載されたテクノロジー「Precision Boost 2」により、クロック速度を自動的に高速化する機能。適切な温度環境やシステム環境、作業負荷やアクティブなCPUコア数など様々な要素を元に、CPUに余裕がありより強力なCPU処理能力が必要と判断された場合、自動的にクロック数がひきあげられる。

参考:TAMD Ryzenテクノロジー:Precision Boost 2の性能強化 (AMD) ※外部サイトに飛びます

 

 

事例追加日:2022/12/15
事例No.PC-10615
参考価格:
5,756,300

分子動力学計算用マシン (倍精度対応)

用途:LAMMPS、GROMACSの利用

お客さまからのご相談内容

大規模な分子動力学計算を行うためのマシンが欲しい。
LAMMPSやGROMACSの利用がメインで、必要に応じて量子化学計算 (Density Functional Theory:DFT) も利用する。
GPGPUでの計算を行うので、CUDA Toolkitもインストールして欲しい。

また、希望条件は以下の通り。

・CPU:AMD ThreadripperPRO 3995WX 2.7GHz 64コア
・メモリ:256GB
・ストレージ:480GB SSD S-ATA / 4TB HDD S-ATA
・GPU:NVIDIA A100 8GB
・筐体:タワー型
・OS:Redhat系
・その他:CUDA Toolkit
・予算:600万円程度

テガラからのご提案

お客様のご希望を元に、構成をご案内しました。
LAMMPSやGROMACSでの大規模な分子動力学計算を想定した構成です。

■Point

AMD ThreadripperPRO と NVIDIA A100 を搭載する構成の場合、冷却方法の検討が必要

AMD ThreadripperPROは水冷CPUクーラーが標準仕様となっているため、筐体側にはNVIDIA A100を冷却できるほどのFANが標準搭載されておりません。 そのため、NVIDIA A100の冷却はGPU冷却専用のケースFANの追加で対応しています。 また、PCI-Eの空きスロットにダミーカバーを取り付けることで、NVIDIA A100の冷却効率UPを図っています。

LAMMPSとGROMACSの利用でGPUでの倍精度計算を行わない場合には、GPUを一般的な製品に変更してコストを抑えることができます。

本事例の構成は、お客様から頂戴した条件を元に検討した内容です。
掲載内容とは異なる条件でご検討の場合でも、お気軽にご相談ください。

主な仕様

CPU AMD Ryzen ThreadripperPRO 5995WX (2.70GHz 64コア)
メモリ 256GB
ストレージ1 480GB SSD S-ATA
ストレージ2 4TB HDD S-ATA
ビデオ NVIDIA T400
ネットワーク on board (1GbE x1 10GBase-T x1)
筐体+電源 タワー型筐体 + 1000W (リダンダント電源)
OS RockyLinux
GPU NVIDIA A100 80GB PCI-E
その他 CUDA Toolkit

■FAQ

・LAMMPSとは
LAMMPS (Large-scale Atomic/Molecular Massively Parallel Simulator) は、米国のサンディア国立研究所で開発されたオープンソースの分子動力学計算アプリケーション。パラメータ設定により対応する力場の幅広さと柔軟さに定評がある。

参考:LAMMPS Molecular Dynamics Simulator ※外部サイトに飛びます

 

・GROMACSとは
GROMACS (Groningen Machine for Chemical Simulations) は、オランダのフローニンゲン大学で開発された分子動力学シミュレーションのパッケージ。主に、タンパク質や脂質、拡散などの生化学分子用に設計されている。

参考:GROMACS ※外部サイトに飛びます

 

・NVIDIA A100とは
NVIDIA A100はAmpereアーキテクチャで設計されたハイエンドGPU。前世代と比較して最大20倍のパフォーマンスを発揮する。大規模な計算処理能力とスケーラビリティを必要とする複雑なAI学習のモデルトレーニング、DeepLearningでの推論、倍精度シミュレーションなど、HPCが必要とされる様々な用途に適している

参考:NVIDIA A100 Tensor コア GPU (NVIDIA) ※外部サイトに飛びます

 

 

事例追加日:2022/12/07
お客様のご要望をうかがい、最適なPCの構成をご提案する
「お客様だけのオーダーメイドPC」を製作しています。
用途に応じた細かなアドバイスや迅速な対応がテガラの強みです。

上記の仕様はテガラでお客様に提案したPC構成の一例です。
掲載内容は提案当時のものであり、また使用する部材の供給状況によっては、現在では提供がむずかしいものや、部材を変更してのご提案となる場合がございます。

参考価格については、提案当時の価格(送料込・税込)になります。
ご相談時期によっては価格が異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。