速報:Intelの新CPU「Haswell」

IntelよりIvy Bridgeに次ぐ新CPU「Haswell」が登場しました。
今回はそのHaswellについて、テガラで簡単な検証を行った結果を交え、初期情報をお届けします。

 
なお、検証はES品(Engineering Sample品)を利用して実施したため、実際の出荷製品の動作とは異なる部分がある可能性があります。
 
まずHaswellの特徴及びセールスポイントは以下の通りです。
 
  • Coreプロセッサの第4世代
  • プロセスルールはIvyBridgeと同様22nm
  • マイクロアーキテクチャの強化
  • 電源管理機能の改良・統合型VRの採用
  • ソケット形状の変更(LGA1150)
  • グラフィックス性能の強化

この記事では、プロセッサのパフォーマンスをご紹介するのではなくちょっと別の視点からの解説を中心に簡単にご紹介したいと思います。

 

IvyBridgeから約1割程度のパフォーマンスアップ

事前にネット等で情報が出回っていましたが、弊社でのベンチマークテスト等でも、おおよそ1割程度のパフォーマンスアップを確認しました。 この進化については、今回はプロセスルールも同一であり、大幅なアーキテクチャ変更が行われた世代でもないため順当なパフォーマンスアップと言えるのではないでしょうか。

それに対してオンボードのGPUに関しては3-4割アップのスコアが出ており今回はGPU周りの改良は、それなりに大きなものになっているようです。

 

初期のHaswellには欠陥あり?要注意

まず、初期のHaswellは、USB3.0コントローラ周辺にエラッタ(構造上の欠陥)を抱えたまま出荷されるといわれています。S3スリープからの復帰時にUSB機器をうまく認識しなくなるといった問題があるようです。正確にはHaswellとセットになる、チップセット側のエラッタですが、今回よりソケット形状が変更されるため、事実上はHaswellベースの問題とも言えます。

今年中には修正版がリリースされる予定とのことですが、初期に購入される方はご注意ください。

またもう一点、Haswellと組み合わせて使用する電源についても要注意です。今回、省電力機能が強化されました。その際に既存のC6/C7ステートの拡張が行われましたが、このステートの拡張に際して、最少電流値「0.05A」のマネジメントが要求されます。そのため、この最少電流値に対応していない電源を使っている場合、トラブルが起こる事が予想されます。既存の環境を流用する場合にはご注意頂く点の一つになるかと思います。

 

対応OSはついにXPが非サポート、32bitOSも限定的なサポートに

OSについては、今回のHaswellより正式にXPが非サポートとなりました。Vistaも非サポートとなり、Windows系はWindows 7以降の対応となります。

もう一点重要なのが、32bitへの対応についてです。

初期リリースの段階では、32bitへの対応はWindows 8では限定的な対応となっています。Windows 7の32bit版は対応予定ですが、弊社にて検証したマザーボードのうち、一部の製品(ES品)ではWindows 7/Windows 8ともに物理メモリ4GB/8GB/12GB/16GBの状態で、OS上で認識しているメモリが971MBとなる現象が起きました。

※画像はWindows 7 で実装メモリ16GBの状態での検証時のもの

 

この検証時においてはOSに使われているメモリ領域が、通常よりもかなり少ない状況でした。実際問題としては、このメモリ認識では32bit系OSの利用は非現実的ではないかと考えられます。

この問題について弊社で確認した範囲では、マザーボードとメモリモジュールの間で相性がある様子です。通常、弊社ではSamsung純正のメモリを標準品として利用しておりますが、このモジュールの1GB/2GBを1枚挿しでは起動しないという症状も発生しました。

面白いのは、このモジュールを2枚、もしくは4枚にした場合には認識して動作したというところです。当初は容量の問題かと考えましたが、別メーカーのメモリでは2GB×1枚挿しで問題なく動作しました。

マザーボードやメモリの組み合わせによっては以上のような現象が起きる場合もありますので、32bitでの使用の際にはご注意ください。

また、OS上の速度面の認識でもメモリ4枚の状態で、Windows純正のパフォーマンス評価であるエクスペリエンスインデックスのメモリの値が、32bitと64bitで大きく差が出ています。
 
※64bitでの1秒あたりのメモリ操作のサブスコアは7.8
 
※32bitでの1秒あたりのメモリ操作のサブスコアは4.5
 
 

Linuxの動作…UbuntuとCentOSについて

今回検証したOSは、UbuntuとCentOSです。 まずUbuntuについては、12.10(64bit)ではインストールまでは完了しますがX上でUnityらしきエラーを多発します。 最近リリースされた13.04に関しては、上記のエラーが発生しませんでしたのでHaswellで利用される場合は、13.04が良さそうです。

CentOSについては5.3以前では、基本状態ではHDDを認識しませんでした。 現行の6.4(64bit)では、インストール時に未対応ハードウェアという警告は出ますがインストール自体と起動までは問題なく行えました。 CentOS6.4ではX上のエラーは発生しておりませんので、GPUのフル機能を利用しない場合はそのまま利用できると思います。

 

最後になりますが、今回のCPU+チップセットよりPCIへのネイティブ対応が 完全に無くなりました。XPのサポート終了・PCIネイティブ終了・ 32bit系OSの限定対応と、一つの時代の節目となるCPUとなりそうです。
(技術部:鈴木久登)

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